ST君、頑張ったよ!
昨日、A学童の有志が、A地区の相撲大会に出場した。
その中に三年生のST君がいた。彼はASDで、ADHDもアスペルガーも持っている。三年生になった彼はいつもは元気で、声も大きく、うまくいっているときは、友達とも楽しくあそんでいる。
ただ、日常と違うイベントごとに調子を崩し、先日のドッジボール大会でも、大暴れした。全員が整列して座っている場面で、体育館を大声で叫んでふざけながら、ぐるぐる走り回って大会の責任者に直接ひどく叱られた。
一年生の時は体育館で何かをすると聞いただけで、行きたくないと駄々をこねて、部屋の隅で寝っ転がって、抵抗したものだ。
彼が、A小学校から離れているA地区区民館まで移動して、相撲大会に、出場することを決心したことだけでも、大いに評価できる。
出場メンバー申し込みに、しっかりST君は名前を記入していて、当日まではやる気満々だった。
いつも過ごしている場所からの移動、他の学校の知らない子ども達・知らない大人たち、相撲という格闘技への参加、様々なものを乗り越えた先にST君の挑戦があった。
それは、すごいことだと思っていた。だから、彼が会場である地区区民館へ移動する直前に、
「○○さーん、やっぱり、行くのやめようかなぁー 太ももがなんだか痛くなってきた。」
私は出たなと思い、
「応援団でも、いいからさぁ。取り敢えず行ってみたら?多分見ているうちに相撲が好きなSTちゃんは出たくなると思うよ。」
「悪いけど、それは絶対無い!!」
こんなやりとりをしながら、外へ連れ出し、会場へ向かう途中も、彼が好みそうな違う話題で気を紛らわせた。
会場に着いてからも、
「やっぱ、無理!」
と言うので、
「じゃあ、出たくなったら出るということで、決めないでおいたら?」
という私の提案を渋々受け入れ、
いよいよ始まると、皆んなの応援の熱気と、目前で闘い合う一年生たちの楽しそうな姿を目の当たりにして、彼は変わっていった。
しばらくして、
「○○さん、やっぱ、俺でるわ!!」
「よし、じゃあ手続きしてくるね!!」
ここまで、モチベーションを上げるともう大丈夫。
結局、強い相手にあたってしまい、一回戦で負けてしまったが、相撲の結果は問題ではない!
相撲大会に迷いながらも出場し、自分の試合が終わったあとも(途中、帰りたがったが、)最後まで、会場にいて閉会式にも参加した ということを成し遂げたことが素敵だということ!!!
彼は確実に成長している。すごい!