うーん、大丈夫かしら?
B学童の新入生もたくさん入って来た。
一年生だけで、40人を超える。その中に特に体が小柄でボブにしている茶色がかった髪が可愛らしいALちゃんがいた。
学習タイムの時に、ALちゃんと同じ机で勉強していた子がプリントの内容を聞いてきたので、私はここぞとばかりに張り切って、丁寧に説明していたら、
「うるさくて集中できないから、あっちへ行って!」
とALちゃんから注意をされてしまった。
私は、小声で説明し終わってから、
「ごめんねー🙏」
と謝りながら、その机から離れた。
学習タイムが終わって、部屋遊びの時間にALちゃんが目に涙を溜めて一人で立ち尽くしていたのを見つけ、そっと話しかけたら、寂しくて何だか不安であるというようなことを言うので、しばらく膝の上に乗せて抱っこして背中を軽くさすっていたが、落ち着かないので、絵本などを読んで気を紛らわそうとした。
だいぶ付き合って、そろそろいいかなと思い、私の今日のルーティンワークであるオヤツの準備に取り掛かろうとしたが、私の手を握って離さない。心細い気持ちも分かるし可愛らしいので、いつまでも手を繋いでいてあげたかっが、そうもいかず、よく言い聞かして手を静かに離した。
オヤツが終わり、後片付けも終えて子ども達の中に戻ろうとしたら、部屋の片隅がやけに騒がしい。
例の女王様、三年生女子のAYちゃんと二人の子分、ET君とOK君が誰かを囲んで何か責め立てている。
私は慌ててそこへ駆け寄った。真ん中で背中を丸めシクシクしているALちゃんがいた!
「あなた達、何で三年生三人で一年生の女の子を取り囲んでいるの⁉︎」
「だって、この子の方から睨んできたんだから!」と三人が口々に言う。
私はALちゃんなら、やりかねないなと思いながら、
「だからって、入ってきたばかりの一年生を三人で攻めるのって違わない?」
と言っても、彼等も理由なく睨まれて意味が分からないからそれを聞いているだけだ。
という。
問題はその聞き方なんだよなーということを幾度説明しても、僕たちは間違っていないと言ってくるET君。相変わらず、AYちゃんは怖い目をして、自分が不利な状況ではなかなか口を開かない。
ALちゃんも少し生意気なところが確かにあるので、この子達の言ってることもあながち間違ってはいないのも理解出来る。でも、やり方はマズイ!
このことが中々伝わらず、私がちょっとでもその場を離れるとすぐにALちゃんに近寄っていき、「何で!何で!」攻撃をするので、私はALちゃんを抱え、彼等から離したり、彼等と問答をしたり大忙しだった。
一番気になっているのが、ALちゃんにとってこの出来事がトラウマにならなきゃいいなぁということだ。