困ったなぁ。
A学童の一年生のSY君は背か高く、細身で柔和な顔立ちの色白な男子だ。
この子はなかなか厄介である。いつもニコニコしながら大きな声を立てることはないが、とにかく自分の主張を押し通そうとする。
私と遊びたいと思うと、とことん自分と遊ぶまで、邪魔をしてくる。
将棋をしていると、将棋盤の駒をイタズラして隠したり、置いてある場所を変えたり、幾度注意しても言うことをきかない。
剣玉をしていると、わたしの剣玉を横から手を出してつついてくる。
紙芝居を読んでいると、紙芝居の前に立ちふさがる。
あやとりをしていると自分の手をあやとりの紐の中に突っ込んでくる。
私が彼の言うことを聞いて、アイロンビーズで作ったゲーム機的なものを仕上げたあとも、まるでストーカーの様についてきて、邪魔をする。
何度、人の遊びを邪魔してはいけないと注意してもやめないので、困ってしまっている。
彼はひたすら幼いのだ。人にとって、遊ぶ相手で一番ハードルが高いのが同級生という。次に年下。最後が年上。ここの空間では彼の年下は存在しないので、同級生じゃないとみんな年上だが、いかんせん二年生はついさっきまで一年生だったので、まだまだ幼くて、自分のことで精一杯。三年生もクラス替えや担任替えでまだ不安定で、なかなか年下の面倒を見るまでの余裕がない。必然、同級生と遊べない子は大人と遊びたがる。仕方がない。けれども限度がある。十人を超す新一年生が次々と○○さん遊ぼうと言ってくる中で、彼だけに時間を割くわけにはいかない。それに遊びの邪魔をするやつという不名誉なレッテルが彼に貼られようとしていることも心配だ。
そのことをわかってもらうべく、先日彼の両手を握りしめて、今日これ以上私の遊びの邪魔をしたら、私はあなたと一日中口をききません。
と伝えたら、うんと黙ってうなずいたので、SY君から離れて違う子達とおはじきをしていたら、案の定私の膝にまたがってきて邪魔をしてきたので、彼を無理矢理膝から下ろして、彼を一日ずっと無視し続けた。
彼には多少こたえたようなので、今日も邪魔しようとしてきた時に、
「今日も一日、SY君とお話しできなくなりますが、いいですか?」
と言った。すると、ちょっと考えて彼はやめた。
当面、この繰り返しになるのか…
一年生って、毎年こんなだったかしら?
他にも個性豊かな(特に男子)子どもが揃っていて、A学童もてんてこ舞いである。
大規模学童のB学童は言うまでもない。
(−_−;)