連絡帳は大事。
連絡帳は、各家庭と学童を繋ぐ大切なコミニケーションツールだ。何か子どもに気になることがあれば一行、職員にイベントのお礼を言いたい時に一行、親御さんに軽く伝えたい時も一行、のやり取り。
そしてA学童の職員は30名余りの連絡帳を毎日毎日、一冊一冊、それは丁寧に読んで、書いている。📔✏️
因みに130名からの子どもを預かる大規模保育のB学童は、連絡帳は無く、何か保護者への伝達事項がある場合は直接保護者に電話をして伝える。仕事場へ連絡するので、繋がらないことも多く、電話をするこちらも少々のことでは、遠慮してしまう。📞
例えば、①子どもの学帽のゴムが切れているとか、②宿題のプリントを学校に忘れたとか、③何となく元気が無く一日一人でいたとか、etc…
この様な瑣末な問題でいちいち電話連絡することは、受け手の保護者の方も連絡する学童側も、双方負担になる為憚れる。その為、怪我や高熱などの緊急時にしか、電話連絡はしない。
では、学童での日常の様子を親御さんが知る、そして現場からそれを伝える機会はというと、個人面談であるが、面談も年に一・二回しか行われないので、余程気になることがある子以外はザックリした子どもの印象のまとめを聞くだけ、話すだけになってしまう。
かといって、こまめに自分の方から連絡をすると、神経質な親御さんだと思われるのではというステレオタイプに縛られるし、実際そう受け止められることも多い。
その結果、①ずっと帽子のゴムは切れっぱなし、(直したくても、ここでは針と糸は危ないという理由と、大勢の子ども達を見なくちゃならないのでそういった作業は無理という理由でスタッフが縫い物をすることは出来ない。)②宿題は未提出、📄③翌日学校で熱を出して早退。🤒なんてことは日常茶飯事である。
一方、連絡帳でやり取りをしているA学童の親御さんは『校庭で友達と鬼ごっこをして遊びました。』🏃🏻🏃🏻♀️などの簡単な報告文の情報からも我が子が自分の目の届かない場所でどの様に過ごしてるか、色々なことが分かる。
鬼ごっこは一人では出来ないから今日はお友達と遊んだということ。外遊びをする元気があったということ。家では、宿題をしたら、校庭で遊ぶ様に言っているから宿題もちゃんとしたのねということ。
連絡帳の使用も無しで預ける親御さんの不安と、ちょっとずつ、モワッとな感じの行動をとり続ける子どもたちを預かるこちらの不安を、大規模学童のあり方をよしとしている公の方々は知っているのだろうか?🤔
挨拶はやっぱり大切だよね。
A学童の二年生男子のTK君は、目のクリクリとした無口なイケメン君だ。年子のお姉ちゃんのMAちゃんが同じ学童にいる。お姉ちゃんも口数が少ない方だ。
👦🏻👧🏻
可愛い顔立ちの妖精の様な姉弟だが、見た目が妖精っぽいだけでなく、二人ともにどうも浮世離れしているというか、いつも背中の羽をふわふわと動かしフヨフヨ浮いている感じで、何を考えているのか捉えどころがなく、言動が読めない。
大人の話を聞くのが苦手で、いつも二人の行動は他の子からワンテンポずれている。
だからといって、勉強が出来ない訳ではない。宿題は、特に算数は比較的スラスラと解いている。
友達が困っていても、周りが促さないと、助けようとしない。人が痛がっていると、野次馬の様に見に来るが、興味津々な様子でひたすら見ているだけ。
一番、困っているのは挨拶が出来ないことだ。
TK君と仲良しの二年生男子のKT君のお父さんが先日嘆いていたそうだ。姉弟でKT君宅によく遊びに来るらしいが、来ても、「こんにちわ」も「お邪魔します」も言えず、オヤツを出しても「いただきます」も「ごちそうさま」も言えないとのことだ。
勿論、友達と何かアクシデントがあっても何かを貸してもらっても、姉弟共に謝ることも、お礼を述べることも出来ない。(しない?)なので状況がこじれても、これまた説明することが出来ない。
情緒障碍(発達障碍)と何らかの関連性があるのかもしれない。が、挨拶については、学ぶことで補える。
丁寧に何度でも、こういう場合はこう、そういう場合はこう、と教えるしかないと考えている。
少人数、それは理想的。
先日出席した地域の教育勉強会で、ある中学校が突然閉校になる話が出た。 閉校の大きな理由は、全学年で四クラスしかない為、過小規模校としてのデメリットがあるということだった。🏫
確かに部活動でも、人数が集まらないと多少の弊害がある。又、大勢の生徒の交流を通しての切磋琢磨といった側面も十分とは言い難い。⚽️🏐
だが、長年学童の仕事をしてきた私は言いたい。
少人数であることは、きめ細かい教育や生活指導を受けられるということ。これは、部活の不便さや大人数の交流機会のないことを上回るメリットがあるということを!
私は30名を大人2〜3名で見ているA学童と、120名を大人11〜12名で見ているB学童との差を日々目の当たりにしている。
子供の人権が守られているA学童の方が断然子どもの居心地が良さそうである。
A学童の子ども達は大人を信頼しきっていて、とても人懐っこい。そしてとても子どもっぽい。👦🏻👧🏻
B学童の子ども達はしっかりしていて大人びているが、警戒心が強く一度心を開くと、どこまでも関わろうとする。が、諦めも早い。B学童の子ども達は、大人の都合に合わせることが多いので、悲しいかな諦めることが上手い。
全体的な印象もA学童の子ども達の方が圧倒的にのびのびとしている!
大人の事情先ずありきで、彼等の声も聞かずに、子ども達の環境をクルクル変えるやり方ってどうなんだろう?
閉校になるその中学校で、三年学んだ子どもが、ひとクラス25名だった一年の時、クラスが団結していて教師ともとても仲良くなれた、そんな雰囲気が三年間続いて、お陰で中学が本当に楽しかったと言っていたとか。
現場の声も拾って欲しい。
RO君は、充分しっかりしてるよ!
A学童のRO君は、二年生だが三月生まれで身体も小さく、喋り方も若干たどたどしく見た目はとても幼く見える男子である。一年生に紛れていても見分けがつきにくいほどである。
彼には、お母さんがいない。お母さんは、RO君がもっと小さい時に、彼と更に幼い弟を置いて家を出て行った。 👦🏻👶🏻
お父さんは、体格のガッチリとした方でRO君の入学当初はよく作業服姿でお迎えに来た。
お父さんは一生懸命二人の息子を育てている。👷🏻
が、 そこには限界がある。
夏休みなどの一日利用の日の彼のお弁当は、100円のオニギリ一つか、菓子パン一つ。朝食もふりかけご飯だ。🍙
RO君の栄養バランスを考えて、施設長は予算をやりくりして、野菜コンソメスープやコーンクリームスープをしばしばおやつのメニューに加えた。🍲
ここのところ、出て行ったお母さんに余裕ができたのか、小学校の行事、例えば授業参観や運動会にちょくちょく出てくる様になった。それも、若い男性のお友達と一緒に…👱🏻♀️
RO君は、お母さんに会うことが少し嫌らしい。
先日の学童主催の縁日の時、きっぱりとこう言った。
「今日、お母さんがうちに来るから、学童休めって言われたけど、僕は縁日に来たいから休まないって言ってきた!」
運動会の時など、突然気まぐれで会いに来ても彼を混乱させるのでは、と、前からそう睨んでいた施設長の読みがどうやら当たっていたらしい。
それでも、そんなRO君の最近の成長ぶりはなかなかだ。
もともと賢い子なので、宿題もみんなと同じ様にこなせる様になってきた。工作が得意で、ダンボールや牛乳パックを使って大人顔負けの物を作る。レゴや平板の積み木も、絶対に人真似をせず、オリジナリティ溢れるキラッと光る建物やピタゴラスイッチ的なものを作る。絵も上手だ。✨
自分の思っていることも、甲高い可愛らしい声でハッキリ人に伝える。彼は遠慮しない。なかなかのしっかり者である。
彼は自分の足で歩いていけるタイプとみた。彼の成長を期待して見守りたい!
班長決めの総選挙をした。🗳
A学童で、三年生の新班長決めをすることとなった。
班長は一緒に宿題をしたり、おやつを食べたりするテーブル毎の六人前後の班員の面倒を見て、指示出しをしたり、連絡事項を伝達したりする。班の代表者だ。
六人の新班長に立候補したのは、女子三人と男子四人だ。班は五班あるが、班長未経験のKO君が一人班長にもう決定しているので、枠は四枠だ。
この四枠を争って七人が立候補した。
🙋🏻♂️🙋🏻♂️🙋🏻♂️🙋🏻♂️🙋🏻🙋🏻🙋🏻
そして、立候補も含めた約30人全員の投票制になった。
注目なのは、みんなの人気者で運動神経が良くて、勉強も、何でもソツなくこなすHA君や、いつも、何らかのストレスで常に顔がパンパンしていて、これまた勉強でも運動でも何でもこいのタイプで、口も達者でうかうかしていると大人も直ぐにやりこめられてしまう女子のDちゃんが何票集められるかというところ。🏃🏻🙎🏻
いざ、投票!一人一人施設長に呼ばれ、ピンクのカーテンで仕切られたスペースに真剣な面持ちで入って行く。🗳
私はこういうのが楽しくって🎶仕方がないので、調子に乗ってカーテンから出てきた子を一人一人捕まえて、
「ねえねえ、誰にいれた?」と
出口調査をしてみた。📝
勿論、「秘密〜!」
という子には無理には聞かない。
開票結果は30%の出口調査と一致。結構、びっくりな選挙結果となった。
ナント、みんなの圧倒的支持を得て半数以上の票を集めたのは、無口で引っ込み思案で、自己肯定感の低〜い女子、YIちゃんだった!! 🐰🎊
YIちゃんは、何をするにも私は出来ない出来ないと、人の後ろに回ってしまう子で、話す時も少しおどおどした感じで話す、可愛らしい顔立ちだが地味目の女の子だ。🐇
ただ、彼女の行動をよく見ていると、誰にもきつい事は言わない、言い方も優しい、人によく譲る、年下の子の面倒見が実に良い、縁の下の力持ち的な仕事を率先してする。
立候補して、票を集めた彼女も立派だが、彼女を評価した子ども達も素敵だ!
みんな、見ているのだなぁと大いに感心した!!
YIちゃんにみんなの票の半分近くが集まり、二位に当選したHA君は、五票ほど、差をつけられた。
この頃、機嫌が悪いせいか誰彼構わずきつい当たり方をしていたDちゃんは、残念ながら自身の投じた一票だけだった。
子ども達は、分かってないようでいて、物事の芯は捉えているということ、又、世間はそう甘くないことを学べた1日だった。
引き算に負けるな!
A学童のMO君は、三月生まれの一年生男子だ。まだ、本当に幼くて保育園児に混ざっていても違和感が全くないような子である。👶🏻
字を整えて書くのも苦手で、何かを間違えて、それを消しゴムで消してもう一度書くなどということは彼にとってはとてつもなく困難なことらしい。面倒臭いし、消しゴムも上手く使えない。なので答えを間違えた時は上から正解を重ねて濃く書く。📄
私は彼なりのそんな事情を察し、そこは消しゴムを使えとは決して言わない。
今日、引き算の算数プリントを学校から持って帰ってきた。「宿題今のうちしちゃおう。」の声掛けを何度かしていたら、早速プリントをひろげ、引き算に取り掛かった。問題は、
①12ー8=
②13ー8=
の様に、なにかから8を引く訓練のプリントだった。
MO君は一生懸命指を数えて、問題を解こうとするも、指は10本しかない。彼は①で引っかかるのかと思いきや、筆箱にあった5本の✏️鉛筆から二本取り出し、無事12本揃えて、正解した。💡
後半、17ー8になった時、私は5本しかない鉛筆で、どう解決するのか楽しみにしていたら、(場合によっては、私の指をお貸しする構えでいた。)彼は、空の筆箱と消しゴムを鉛筆の横に並べて17本にしていた。
📘📃📝
指の追加分が鉛筆なのでプリントとノートを重ねた上で並べるとコロコロ転がって、数が合わなくなり、四苦八苦していたが、何とか一時間以内でプリントをやり遂げた!🎉
集中して、考えている時のMO君の顔は決して赤ちゃんではなかった。そして、少しカッコよかった!💮
子どもの知恵の力に感心した!(^-^)
パンクだって、立派な学びの教材なんだ。
A学童の職員が研修に参加して、ベテランの子ども支援員から聞いた話。
その支援員は一輪車のパンク直しの『きわめびと』らしい。
彼はこう言った。
「🚲自転車でも、一輪車でも、パンクして子どもが直して欲しいと言って来たら、必ず直すところを見せた方がいい。
何故なら、タイヤの中には何が入ってるの?タイヤの空気が抜けるとはどんなこと?穴は見えないのに何故ヘナヘナになるの?タイヤは他のどの部品と繋がっているの?などなどの疑問や好奇心を子どもの心に呼び覚まし、その答えやさらなる疑問を見つけることが出来るからだ。
又、直している人の大変な様子を見て、
物を大切に使うことを覚えるかもしれない。だから、僕は直しといてと言われても、その子をその場で待たせて、直すところを必ず見てもらうんだ。」
この話をしたIさんのことは、私も知っている。とても変わった方で、子どもとの付き合い方も凄くて一緒に仕事をするには、大変な人らしい。でも、温かみがあって、子どものこととなると熱い方で、拘りの強い方である。🤓
例えば、夏休みに子どもを連れて昆虫採取(主に蝉取り)に出かけ、学校の近所ではあるものの、上手く採れなくて納得いかなかった生徒にとことん付き合って、帰りの時間も忘れてしまい、親御さんや同じ職場のスタッフに心配をかけたことがあったそうだ。🌳🌳
私がIさんと以前道端でお会いした時は、偶然なのだろうが、上級生と思われる六年生ぐらいの男子生徒が自転車を押しながら、Iさんにこう話し掛けてきた。🙋🏻♂️
「Iさんがいなくなってから、学童がつまらなくなったよ!」🙅🏻♂️
Iさんに聞いたら、以前勤務していた学童の生徒だとのこと。
確かにこの仕事をしている人は少し変わってるぐらいの方が面白くて子ども達に好かれる人が多い。Iさんもそんな中の一人だ。(^-^)
心ある大人達に囲まれて過ごす子ども達は幸せだ!本当にそう思う。💓