そっかあ。わかるけど、やだなぁ。
B学童の四年生の男子HH君は、とにかくずっと明るい子である。私にとても懐いていて、校庭にいると私を探して見つけて駆け寄ってくる。
「せんせぇー!!!」
私はこう呼ばれるのは苦手なので、
「○○さんですが、何か御用でしょうか?」
とすっとぼけて答える。
彼はデヘデヘと笑って、私の手を握りしめていつもの様に手の甲にキスをしてくる。🤛🏻💋
最初は、やらない様に注意をしていたが、最近はもう諦めている。😑
彼は独特な妄想の世界を持っていて、いつもわけのわからないことを一方的に話してくる。この話に付き合うのはなかなか骨がおれるのだが、時間のある時はなるべく出来る範囲で注意を向けて聞いている。
彼は聞いてもらえるのが嬉しくていくらでも話しかけてくるが、折角色々な友達が遊んでいるのだから、可能な限り、私は他の子も集めてポコペン(缶蹴りの様な遊び)などをして彼を皆んなに馴染ませようと頑張っている。
しかし、集団遊びが下手ですぐにふざけてしまい、他の子を怒らせるか、呆れさせるかして、遊びの仲間の輪からはもって15分程で脱落してしまう。
そのHH君が私の気を引こうとしてか、つくづく隣の新卒スタッフを見てから、
私に向かって
「おばあさんさあ。」
と話しかけてきた。
私は軽いショックを受けた。まあ、50代にギリギリぶら下がってる私はもうそう呼ばれても仕方がない歳なのだが、頭の中は未だ未だ30代なので、受け入れられない!
「なんで?せめておばさんって呼んでよ!」
と言ったら、HH君は、
「だって、おばさんは失礼じゃない。」
という。
彼は女性に向かって おばさん と呼ぶのは失礼でいけないことだと思っていた。
確かに若いバイトのお姉さん達に向かって他のやんちゃな子たちが「おばさん」とか「ババア」とか呼んでいるのを見て聞いて、彼はそう感じているのだろう。
なるほど…とてもピュアな子で、悪巧みや嫌味や底意地の悪さが全く通じないHH君。私がちょっと痩せると
「○○さん、痩せたでしょ。」
とすぐ気づいてくれる。髪を切っても、新しいTシャツを着ていっても、最初にコメントしてくれるのは、彼だ。
明日、彼にとっての『おばあさん』の定義を聞いてみようと思う。