ハルナおばさんの子守りEYE

パートの関係で子供と接触することが多いので、最近の子供達についてあれこれ感じていることを書きたいな〜と。

そこは手探り

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私たちの児童館のヘビーユーザーの双子の兄、TI君はお相撲の稽古でとても頑張っている。

ただ、前回練習した内容を6割がた覚えていないので、他のメンバーより習熟度合いが小さい。

でも、結構力持ちで、痩せ型で六年生にしてはやや小柄な体躯ながらもごちゃごちゃ考えずに突っ込んでいくので、相撲自体はなかなかのものだった。前回までは。

TI君はADHDアスペルガーもあって、拘るととことん拘るので、何かが気にかかると、ずっとずっとやり続ける。が、一旦躓くと、前に進みにくいどころか、フリーズしてしまうことがある。

今までの相撲の稽古は前者のパターンが上手く当てはまっていたので、順調だった。

しかし今日彼は、前回、ぶつかりげいこの際に指導するP君の頭に自分のおでこをぶつけてしまい凄く痛かったことを覚えていてしまっていた。そしてそれがトラウマになっていて、突っ込んでいけなくなってしまっていた。

ぶつかっていくのが、とにかく怖いのだ。

P君が

「怖がらずに、来いっ!!!」

と幾度声を掛けても、体がすくんでしまってすでに立ち合いが上手くできない。

何度かやろうとするが、上手くいかない。

ついに彼は諦めた。

「もう、無理!!」

 

そして彼のあーでもない、こーでもないという、どこまでも弱気な言い訳が始まった。

彼は必死に周りの者がとても言わないようなP君の勘に触るようなことを場の空気を読まずにじゃべり続ける。

P君は、投げやりで後ろ向きなTI君の言動の間違いを正そうと必死だ。

だが、TI君は

「もう、俺はダメだ。」

「相撲、もうやめる。」

と絶望的な言葉を繰り返す。

流石に、P君の堪忍袋の緒が切れた。

P君が説教モードに入る。彼がこのモードに入ると30分は止まらない。子どもへの思いが強い分、気持ちが彼らに伝わらないのがもどかしいのか、とにかく説教が長いのだ。

 

終わる頃にはTI君も、P君もヘトヘトで、双方、特にTI君は気持ちの整理がつかぬまま鼻と目の縁を赤くして家へ帰って行った。

 

さて、次回の稽古にTI君は来るのだろうか?