夏休みは夏休みの良さがある!
B学童の夏休み。三年生と四年生のMK君とHT君は、少し暗い印象のある兄弟だ。
宿題のプリントなどをやっている様子や漢字の書き取りなどを見ると、勉強はまあまあできる方だ。
二人とも顔立ちは、なかなか整っていて運動もそこそこ出来る。
ただ、二人共に口数が少なく大人しく余り笑わない。
その兄の方と最初にちょっと仲良くなった。
きっかけは、夏休みに入り仲良くなりたくてMK君と彼の友人二人のLaQ(細かいレゴの様な玩具)遊びに一時間徹底的に付き合ったことからだ。何故こんな時間が持てたかというと、夏休み中は夏季パートの方が結構入ってくださるので、子どもの数が少ない日には、若干子ども達との濃密な時間を持つことが出来るのだ。
そして、先日兄のMK君が
「今日は僕の誕生日なんだ。」
と言ってきた。私はイベントで多めに作った栞🔖のうち、彼に気に入ったのを選んでもらい、ささやかなバースデープレゼントにした。
そして、翌日今度は弟と昼食時に、同じテーブルについて二人でゆっくり話せる時間を取れたので、
「昨日、お兄ちゃんにおめでとう🎉を言った⁉︎」
と聞いたら、
「うん、ケーキも食べたよ。」
と答えてくれたので、
「じゃあ、家族みんなで祝えて、お兄ちゃん良かったね。」
と言ったら、少し間を置いて、
「○○さん、お父さんいる?」
と聞いてきたので、
「私のお父さんは死んでいてもういないよ。」
と言ったら、HT君はホッとした顔をして、
「うちもお父さんいないから、昨日はお母さんと俺らだけだった…」
と打ち明けてくれた。
そのことは以前から知っていたが、私は知らなかった体を装って、
「ふーん、そうなんだ。でもお母さん、必ずケーキ手作りだってお兄ちゃんから聞いたよ。凄いね!」
と言うと、
「最初から出来上がってるカステラのところを買ってきて、生クリームとスイカ🍉と缶詰の桃🍑をのせるだけだよ。」
と、言う。その表情はやや誇らしげで嬉しそうだ。
子ども二人を育てながら、仕事を頑張って、それでも手作りのケーキを準備するお母さん、凄いなぁ、とこちらも嬉しくなった。