わからない
B学童のKG君が調子を崩している。
昨日のKG君は本当に妙だった。
学習タイムの時いつもの様に落ち着かない彼は、一人で『かいけつゾロリ』のシリーズを何冊も出して読むわけではなく、ただページをペラペラとめくっては、急に立ち上がり走ってスタッフの一人にカンチョーしたり、お尻を触ったりして気付かれるとすぐさま走り去り、またゾロリを暫く眺めるを繰り返した。
KG君の場合、自身が分かっていてやっているので、彼、もしくは彼によって誰かが怪我をしそうな状況にならない限り私達は彼の行動について見て見ぬフリをするよう、先日、児童心理の先生からアドバイスを受けた。
学習タイムも終わり、子ども達が一斉に外へ遊びに出ようとワサワサと動き始めたら、KG君が思わず「痛いっ!」と顔をしかめてしまうくらいに強い力で私の胸をつねってきて、それでもこちらは
「赤ちゃんみたいだから、触るのはやめようね。」
と注意をした。すると今度は続けて私の👓眼鏡をめがけて、お手玉を投げてきた。結構な力だった為に眼鏡がズレて落ちそうになったので、
「人の顔を狙ってはいけない。」と
もっと強い口調で叱りつつ、彼の両腕をやや力を込めて掴んだら
「うぅっ!!」
と叫び、うつ伏せに寝転んだ状態で固まってしまったので、まさかと思い
「もしもーし、お願いしますよ。ふざけないでー」
と声を掛けた。私の掴み方が強過ぎて痛みを感じて泣いているのではと心配になり、様子を見ていたら、案の定、声は出さないものの激しく泣いていて、こちらを向かせたら、いきなり、鼻汁をビュッー!!とまとめて私のトレパンに噴出させ、まだ、続けて声を出さずに泣いていた。
施設長も心配して寄ってきて、私は色々と疑いを掛けられた。
勿論私は彼の両腕を掴む時も、力の入れ方を加減している。泣くほどに痛みを感じる様なことはありえない。
私はキツネ🦊につままれた様な気持ちになり、何が起こったか、状況を把握出来ずにいた。
でも、KG君に関わっていてこれ程までに、彼を興奮させたのは私だ。
何のスイッチが入ったのだろう?
嫌われたか?
でも、なだめられて落ち着いたころに外遊びに施設長が連れて行き、そして帰って来てからは、椅子に座って二年女子と将棋をしていた私の背中にまたまた笑いながら飛び乗って来た。
わからない。