ハラハラドキドキの、ポンジャンゲーム。
私のことを『ばばぁ』と呼ばないと約束してくれて、結局、交換条件のドラゴンボールの塗り絵をゲット出来なかったAK君だが、何だかそれ以来、『ばばぁ』とは言ってこない。
そして、予想通り、例の潜水艦ゲームはほとんどやってくれない。
でも、
「○○さ〜ん!明日もやろう!」
とついに明日やるという約束を先方から言ってきた!!
大人が嫌いで、私たちスタッフの誰にも心を開いてなかった彼がこんなことを言ってくれたのがチョー嬉しくて、
「あー、やろうやろう!!」
と、調子良く応えた!!
が今日になって自分の勤務時間が今日は17:00までだったことを思い出した!
うー、しまった。
子供たちは16:30頃まで校庭で外遊びをし、その後部屋に入り、補食を食べる。そして、じっくり室内遊びをするのは17:30頃からなのだ!
私は、17:00を過ぎても何くわぬ顔でAK君とe君とゲームを並べ始めていた。
そこに、スタッフが来て、
「○○先生、時間になりましたので、上がって下さい。」
と無情に言ってきた。
「昨日から、約束していたゲームなのでこれ一回戦だけダメでしょうか?」
スタッフは言う。
「時間の関係上、これ以上は無理なので、子供たちにもそう説明して下さい。」
私は当然のことながら、諦め切れず、施設長と直談判した。
「あのAK君がやっとオープンマインドしてくれそうなんです!大事なところなんでこの感じを、途切らせたくないんです!是非、このままゲームを続けさせて下さい。」
と必死に頼んでみた。
施設長は、
「その時間は無給になりますが…」
もとより、17:00以降の残業代を貰おうなんて考えはハナからなかったので、
「勿論、無給で結構です!よいですか?」
と聞いたら、
首を縦に振った。
なーんだ、給料を気にしてたのね。
今更ながら意思疎通な感じをもわっとさせながら、私はいそいそとAK君と、すっかりチックがおさまったe君と、怖いもの知らずの一年男子のTM君のところに戻り、パイをジャラジャラしていたら、そこへお薬服用中でしばしば怒りのコントロールが困難で身体がとても大きな三年男子のWM君が乱入してきた。
冷や汗モノのメンバーが揃うなか、史上最強のスリリングなポンジャンゲームが始まった。
私の横に割り込んで来たWM君のことをTM君とe君は
「おめぇ、はいってくんなよ〜〜」
と、まず一撃。
やりたい人を拒まないのが○○さん流。
私は(^_^;)
「いいじゃん、いいじゃん。私がWM君と組むからさぁ。」
と彼の手を引っ張り、ちょっと強引に私の隣に座らせた。
何とかゲームが始まった。
「あっ、おめえ、今ズルしただろ!!」
こっそり、パイをめくってうらを盗み見たAK君にe君が抗議!
WM君も目を吊り上げる。私は彼の肩にそっと手を回して愛情込めてトントンする。【やめとけ】の合図だ。嫌がるかと思ったらジッとしている。なので、ずっと私はWM君の肩に手を回した状態でゲームをし続ける。
AK君が又、ズルをした!
私もみんなと一緒に【ずるい】の指差し!!
「へっ、してねえし。」
とAK君。
一触触発の緊張感が漲る!😱
私は
「今度したら、退場!」とみんなの怒りを鎮める。
今度はAK君がWM君に
「おめぇ、そんなに偉そうにすんなら、○○さんと組まないで一人でやれ!」
私はすかさず、
「WM君は、まだこのゲームにそんなに慣れてないから、いいの。いいの。」
フォローになってるか?😨
兎に角、私の隣に大きな虎を抱え、右手には、ずっと隙を窺ってる黒豹。左手にはチーター。正面には、ちょっと気を抜くと噛みついてくるライオンの子。
という感じ。(ー ー;)
でも、途中こんなやりとりも。
「おめぇ、しずかちゃんばっかり集めるなよ〜〜」
「えっ、オレ、ドラミちゃんだし。」🙊
私が嬉しかったのは、WM君が何とか自分を抑えながら一生懸命三人と遊んだこと!AK君が他人の遊びを邪魔する遊びではなく、自らが楽しめる遊びを見つけたらしいこと!e君は真っ赤な顔をしながらも、三人との調和をとりながら、一番良い手であがって喜んだこと!TM君が一年男子にもかかわらず、二年・三年の男子とゲームで立派に渡り合ったこと!
無事にゲームが終わってからのみんなの顔。
結構、満足そう!
私はやり遂げた感というより疲労感と闘いながら、家路についた。