君は、かっこ悪いとは思わないんだね。
B学童の新一年生のKT君は、顔はなかなかのイケメン。背も高く、力も強い。声も低くて、ちょっと見たところ三年生くらいに見える。
ところが、この子がオンブが好きで好きで。延長保育の午後六時から七時までオンブをせがんで来て仕方がない。
ニコニコして
「オンブして!オンブして!」
と言って背中に飛びついてくる。
状況としてオンブしにくい時や、重くて私の身体がしんどい時、速やかにオンブを諦める方法として私が使っている一八番は、
「ぼ〜や〜は、🎵🎶よい〜子〜だ🎶ねん〜ねしな〜🎶」と
オンブをすると同時に歌い出して、あえて恥ずかしい気持ちにさせるというやり方だ。
今までこの手で、殆どの子ども達が恥ずかしがって背中からすぐに降りてしまっていた。
けれども、KT君には効かない。いつまでもニコニコしながら(嬉しそうにずっと笑っている声で、恐らく)私の背中にしがみついている。
今日は、『五木の子守唄』までフルに歌ったが、寧ろ歌を喜んでじっとして聞いてる様でもあるので、考えた。
お迎えに来るお母様は、3歳くらいの小さな弟を連れて来る。
ああ、きっと甘え足りてないのだろうなぁ。本当は、弟じゃあなく、自分がたくさん甘えて、オンブも抱っこもして欲しいんだろうなぁと。
しばらくは、KT君のニーズに応えようかなぁと思っている。
色々と体験することは大切。
私達の施設児童館のヘビーユーザーのTI君(2018・2・20の記事をご参照下さい。)がお相撲のことで色々と悩んだ結果、ついにお相撲を辞めることを決意した。
彼はADHDとアスペルガーがあって、自分の興味が向かない事に関してはすぐに忘れてしまう。が少しでもツボにはまってしまうととことん拘ってしまう。ただ、それも自分にとって楽しくないことだと決して長続きはしない。
施設にあるカラオケ🎤でも、他人が歌っている歌には殆ど興味を示さず、同じ歌を毎回歌っている。決して音痴ではなく、音をとるのは上手い方だ。
そんな彼が今回お相撲を辞めることを二週間以上悩み続けた。無論、私は彼の出した結論を尊重する思いでいた。
自分が辞めたらただでさえメンバーが少ない相撲部が続かなくなるのではないか?相撲の稽古て゛とても親切にしてくれたスタッフのP君が自分を嫌いになるのではないか?でも、いくらやっても、年下にも勝てない自分はゴミだから…続けていても意味がないのでは?
彼が一つのことをこれだけ気にかけて真剣になることはなかなかない。悩んでる本人はきついだろうが、これは貴重な体験だ!
彼は悩んだ挙句、児童館に来るのも躊躇うようになった。私は彼を待った。
先日はドア🚪を開けたら横に立っていた。が、一瞬顔を見せて逃げて行ってしまった。
今週は、もう私が我慢できず、P君に頼んで彼がフラフラしていそうな近くの公園などを見回って、連れてきてもらうよう頼んだ。
見つかった。P君は声掛けだけしてきた。
彼は自分の意思でやってきた。
来てからも、
「なんで、来させるの?児童館は自由でしょ。」などの憎まれ口を、叩きながらも懐かしむように館内を見回していた。
おまけに、今週は夜の部で『春の花火大会』があった。🎆
ナント、親御さんから言われていたのか、本人が火を怖がっていたからなのか、双子の弟君ははしゃいで火をつけた二本の花火を振り回したりするのに、TI君は花火をしたことが無いと言う。私と一緒に持とうと言っても逃げるばかり。私は辛抱強く、持つ方の先端を彼のために3cmほど空けて自分は火薬に近い方を持って、
「ここ、持ってごらん?全然熱くないから!」
と誘った。二、三回誘って、やっと恐る恐る花火を握った彼は
「へぇー熱くない…」
と、嬉しそうにし、その次は自分一人で持つと言った。そして、二度ほど自分で持った。もっとやりたいと彼が言い始めた時には、花火はもう残ってなかった。
ほらね!やってみると楽しいでしょ!!
家に閉じこもっていたり、公園で一人で遊ぶより、複数で共有する時間がTI君のような子ども達にとって貴重なものであることを実感する!
ダサいと思うなぁ。
B学童の別棟にいたら、新卒の女子の常勤スタッフのMさんが、必死な顔をして同じ部屋の3m向こうから
「○○さんっ!!ちょっと来て下さい!!!」と声を掛けてきた。
何事かと思ったら、彼女の周りで立ったまま物凄い大声で囃し立てる何人かの男子と、相変わらずきつい目つきでMさんを威嚇している、例の女王様AYちゃん(2017・7・6を参照下さい。)と、顔と目の淵を赤くしてハァハァ😡しているNA君とMさんに叱られている二人の男子(この三人は体育座りをさせられていた。)がひとまとまりになって大騒ぎをしていた。
私は交通整理をすべく三人以外を追い払った。けれども一人を向こうに行かせると、一人が戻って来るといったふざけた繰り返しで、てんやわんやだった。その中でAYちゃんはしぶとく残って、Mさんを責め立てる。
「なんで、大人がはいってくるの?わけわかんないし、そもそも子どもだけで解決できるから、おまえは黙って!」とMさんに向かってきつーい口調で言う。ついで、ET君(2017・11・2の記事を参照下さい。)が、「どうせ、バイトなんでしょ。うるさいこと言わないで!」
とかなんとか言ってきたので、そこは私がはっきり否定をした。そうこうするうちにMさんが、ナンと😳🙄泣き始めてしまった!💧
私にとっては自分の娘より下のMさんがかわいそうで、何とかしてあげたいと思いもしたが…
正直、まず最初に
ダサっ
と思ってしまった。
こんな人がこんな職場で勤まるのか?そもそも何故こんな所に就職したのか?
私の頭に色々な疑問がよぎった。
取り敢えず、交代してしきることもできたが、それをやったら彼女のプライドも傷つけるし、何より彼女のためにならない。
私は交通整理をし終わり、当事者じゃない子どもを外に出して、事の次第を施設長に報告した。
そもそも、何かを言われて興奮したNA君が本を投げて誰かにぶつかったと言う些細な出来事がきっかけで、大騒ぎになったらしい。
施設長が関わった子ども(Mさんをなじった子どもも含めて)たちに長いお説教をして、この件は終わった。
私は子どもに何か言われて腹がたつことは今でもよくあるし、傷つくこともたまにあるが、泣いたことは一度もない。
子どもは無知だし、無神経だし、無責任だし、大人ほどには空気も読めない。
それだけに、きつーいことも言ってくる。だけど、そこは子どもなのだ。子どもなのだから、仕方がない。そこで、割り切るしかない。
Mさんの成長を祈る。
やはり、顧客ではダメなんじゃあ…
私が勤務しているA学童は公設公営なので、福祉施設としての役割を担う色合いが濃い。従って、A学童の施設長は(勿論、個人差はある)保育園の様に子どもだけでなく、地域の親御さんも育てようという意識が強く、矜持を持って仕事にあたっている。
ところが、B学童は小学校の敷地内にあるとはいえ民営の施設なので、どうしても営利が優先されるため、利用者即ち子どもも親も「顧客」になってしまう。
すると、何かにつけ親の顔色を伺うので、つまらないことで振り回され、いわゆるモンスターペアレンツのノイジーマイノリティに左右されがちである。
これでは、親御さんも学べないし、何より子どもにしわ寄せがくる。
例えば、A君がB君を噛んで歯型をつけたとしよう。A君には、一番言われたくない体の特徴のことをやめてと言っても言い続けられたのだから、寧ろ噛む権利があった。B君は、歯型を見せてきて痛いと泣きわめく。自分が何を言ったかは一切言わない。
こんなケースでは、「大事なお子さんに歯型をつけてしまった」という事柄だけが先走り、とにかく暴力はいけないとかなんとかいう理由で取り敢えずA君はめちゃくちゃB君に謝るよう強要される。そして何が起こったかをザックリな説明でしか受けていないA君の親御さんもB君の親御さんに謝罪をして幕引きとなる。
これでは、全然ダメ🙅🏻♀️だ。
なんといっても、B君は、これでは何も学べない。彼は何故自分が噛まれたかを知る権利がある。知らないと又彼は他の誰かにやってしまうしやられてしまう。
一方、A君の気持ちも考えも、誰にも共有されずに宙に浮いたままになる。噛む事は何故いけないのかを理解できないままに時間に余裕のない大人同士でケリをつけてしまう。
この二つがないがしろになった時点で大いに問題なのである!
毎日がこんな現場で子どもはどう育っていくのだろう…
新一年生が入ってきた!待ってたよ!
ここB学童にも、ピカピカのランドセル🎒を背負った新一年生がたくさん入ってきた。
みんな、未だ小学生になったことに慣れていないのか、若干の緊張と不安と好奇心を顔に張り付かせ、神妙な面持ちでいる。
見ていて楽しいのが、今年は新一年生の中に既入所者の弟や妹がたくさんいることだ。
四年生のイケメン君SY君の弟はやはりイケメンなのだが、全く顔立ちが違うハンサム君で兄とそっくりなのはその声だけだった。
同じ四年生のメガネ君👓のTO君の弟は顔から体型まで何から何まで兄とそっくり、サイズだけが違う。見事な相似形だ。
六年生のSAちゃんは目が切れ長で、拘りが強くとてもマイペースで三年生までとても手のかかるお嬢さんだったが、新しく入ってきた彼女の弟は輪をかけて、個性的で入所の初日から私達スタッフを振り回した。このYU君はこの学年の台風の目になるだろう。
私が大好きだったV君(2014・5・20の記事に登場)の弟も入ってきた。一年生の頃のV君と同じ顔をしている。長い睫毛を確認していたら、延長保育の時に高熱を出して看病したV君を思い出した。
彼らにとって、この部屋で過ごす放課後の時間が楽しいものになりますよう!!
やっぱり抱っこは大事でしょう。
B学童では、臨床心理士さんの『愛着障害』が見つけられにくいとのアドバイスそして、男性スタッフが女子児童に触れることの見てくれの悪さ等々を理由に、スタッフが子ども達を膝にのせたり、背中に寄りかからせたりすることを禁じている。
A学童ではそれはない。
A学童の新二年生のRK君は昨年親御さんが離婚して、お母様の実家に引っ越してきた。彼は仲の良い友達と父親を一度に失った。そのショックの為か、一年生の間は結構荒れていて言葉遣いは乱暴で、切れやすく、誰にでもすぐにパンチ🤜してしまう要注意な子どもだった。
だが、施設長の温かい指導や、お母様や周囲の理解のおかげで、だいぶ落ち着いてきた。
そして今では、春休み中の午前中の学習タイムのとき、勉強にはなかなか取り掛からないが、私の膝に乗っかり、じっとして心ゆくまでダラダラと甘える。これを15分から20分し続けると、もう一日、全然落ち着いてしまう!私はこれで3日間ほど成功したので、もう彼は大丈夫なのだと思う。
ちょっと、友達に乱暴されても切れずに我慢出来たりするから驚きである。
人の温もりの大切さを不必要に軽視する事で、逆にどれだけ子どもの不安や苛立ちや寂しさを放置しているのだろう。
B学童で他の大人がいない時を見計らって私に飛びついてくる新四年生の女子がいる。小柄なので、コアラが🐨ユーカリの木にしがみつくように、私の身体に暫くしがみついて、頭をよしよしすると、ニコニコ笑って走っていく。彼女の家庭もシングルである。
子どもがスキンシップを求めてくるのには、必ず理由がある。それをそのままにして、誰もがお行儀よく大人から離れていられると思うことのツケがいつか回ってくる。というより、そのツケが払えないせいで、子ども達がすさんでゆく。
残念だ。
えっ?ちょっと待った!
A学童の三年生男子のSO君は、やることが雑で、声が大きく、乱暴で、トイレに行ってもまず手を洗わない。彼のワイルドなところをあどけないと言えば、聞こえは良いのだが、とにかく女子受けが悪い。👎🏻先日も、いつも通りトイレに行ってすぐ出てきたので、手洗いをしたかどうか確認したら、案の定洗っていなかった。私は、
「もうすぐ四年生でしょ、そんなんじゃあ、女子にますますモテなくなるよ!」
とお節介心から軽くアドバイスをした。すると、
「いいし〜オレ、妹と結婚するから!」と言い放った。
「えっ⁈ 妹とは結婚できないと法律で決まってんのよ。何考えてんの?」
彼は残念そうに
「マジかぁ〜」
と言って、落ち込んだ。😞
このSO君を上回る一年生男子がB学童にいたっ!!😦😵
JU君は、オタクである。🦖🦕🦎🐍🦗恐竜と両生類と爬虫類と昆虫が大好きで、本を読んでいても、読んでる本はというと大概それらの図鑑で、折り紙を折っても恐竜と昆虫が中心で、最近は特にエリマキトカゲがお気に入りで、何体折ったことか。Tシャツもお気に入りはティラノサウルス🦖のプリントのものだ!!
こんなJU君は、将来、
カブトムシのメスと結婚するそうだ!!
他のスタッフからこの話を聞いたので、確認すべく本人に聞いたら、やはりカブトムシのメスと結婚する予定らしい。
「婚約者は元気?今、何体?」
と聞いたら、
「うちで飼ってるメスはみんな死んじゃったんだ。だから今はオスばっかり。」
と普通に答えた。
彼はもう何日かで、二年生になる。
大丈夫か?